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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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第四章・龍使いの爺様 -4

結界を破ってサトから出て行こうとしているサギリは、
いくらサトオサの許しを貰えたとはいえ、
サトの人々には慣習どおりハチブということになっていた。

そして、ハチブとなった者に姿を見られた者は、
もう二度と神々の守護を受ける事はできないと言われているのだ。


昔、自分の娘と通じてハチブとされた男は、
月のない闇の夜に娘と二人でサトを追われた。
その晩は皆眠らずに起きていて
彼らが家の前を通り過ぎる足音を聞いていたが、
姿を見ようとする者はいなかった。
まだ五つか六つだったサギリはその晩、
ミツハの膝に抱かれて、眠り込もうとする度に揺すられ目を覚ました。
眠ってしまっては、夢の中で彼らに出会ってしまうかもしれない。
特にサギリは見る力が他の子供より強いからと、
ミツハは膝を不規則な調子で揺すりながら言った。

サトを出された男と娘は、
結界門のすぐ外にあるハチブ小屋に今でも暮らしているはずだった。
血縁の者達が毎月決まった日に食べ物や衣類を届けているが、
その時も小屋の戸口の前に物を置き、
一言だけ声を掛けてその返事が返ってくる前に立ち去るのが決まりだ。
もっとも慣習に従っている限り、親娘も返事を返すことはない。
彼らが許されてサトに戻ることができるのは、
彼らの代わりに罪を背負う者が新たに現れた時だけだ。

狭い暗い小屋に十年近くも閉じ込められ、
誰と会うことも禁じられて、彼らは誰かの罪を願っているかもしれない。

そのような負の力もサトを守る役に立っているのだと、
サギリは聞かされていた。

「サギリよ」 

龍使いの家から出てきた老人は、道の真ん中に立ってサギリを遮った。
折れ曲がった腰をできるだけ伸ばそうとして、後に倒れそうに見えた。



[第四章・龍使いの爺様 -5]へ、つづく

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