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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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第六章・ナギとナミ -9

こんな邪悪な気を発するものを、
サギリはサトの中で見たことがなかった。
バケモノに似ているけれども、
もっと違うモノのようにも感じられた。
しかもここは、より強力な結界で守られているはずの
カムナギの家の中だ。
この結界の中に入れるというのも妙だ。

「結界だ」 

サギリがはっと気付くのと同時に、声がした。
いつの間にか姿を現したワカサヒコとシナツヒコが、
それぞれ神木の枝を手にナミ達のそばに立っている。

「我々がこの気持ち悪いやつらを祓いますから、
 戻ってくる前に戸口に結界を張ってください」

言われる前に、サギリは土間に降りて木戸を開け放った。
身体を斜めにして出入り口のそばに立ち、なにものかの通り道を作る。

呼吸を整え、ネサクに教わった祈りの形に両手を組んだ。

サギリの用意ができたと見るや、
ワカサヒコ達は手にした神木を強くナギとナミの身体に打ち付け、
そのまま戸口へ向かってなにかを弾き出すように大きく振った。

ぶわあっ 

という風がサギリの頬を叩きながら外に出ていく。
一緒に黒い霧も飛ばされていくのを確かめて、
サギリは出入り口を塞ぐように外に向かって足を開いて立ち、
結界を張るハライゴトを唱えた。



[第六章・ナギとナミ -10]へ、つづく

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