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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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第六章・ナギとナミ -6

小さい頃からいつもいつも思っていたことだった。

あたしばっかり。 

ナミもナギもヒルメの子供に違いないし、
神々の声を聞くこともできるのに、
彼らは「ヒルメの息子だから、娘だから」と言われることはない。
「カムナギの家の双子だから」と言われることはあっても、
それに「ヒルメ」が付くことはなかった。

その理由は、わかっていた。

ナギとナミが発する気配は、
ヒルメやサギリのそれとは明らかに違うものなのだ。

はっきりと言葉で表すことは難しいが、
あえて言うならヒルメやサギリの力は守る力
一方彼らの持つ力は、今あるものを打ち壊し
新しいなにかを生み出す力だ


その違いは、三人の子供を並べてみれば、
特になにかを感じることのできない人にでも
なんとなくわかってしまったし、
サギリにとっては明白なことだった。

サトの人々がカムナギに求めるのは、
今続いているこの暮らしを守ってくれる力なのだ。

ナギとナミは、自分とは違うなにかを背負っている。
それはよくわかっていたが、納得するのは難しかった。



[第六章・ナギとナミ -7]へ、つづく

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