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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
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第六章・ナギとナミ -3

サトで育ったサギリにとって、
掟を破るのはやはり躊躇われることだった。

掟を破ることは怖い。 

それはもう、理屈ではなく気持ちの問題だった。

サトの子供は、それこそ赤ん坊の頃から
囲炉裏端の昔語りとともに様々なサトの掟を教えられる。
それは、掟を破った者の悲惨な末期の物語として語られるのが常だった。

生まれてから十四年の間に、
カヤノやミツハが毎晩のように語ってくれた昔語りによって、
サギリの中にもサトの掟はしっかりと犯しがたいものとして
根を下ろしてしまっている。

それに、自分になにかができるという確信もなかった。

ヒルメを探し出せるのか。 

探し出せても、それからなにをしたらいいのか。
サギリが願えばヒルメは帰ってきてくれるのか。
ヒルメが探しに行ったものがなにかわかったとしても、
それからどうしたらいいのか。

わからないことだらけだった。

でも、聞いてしまったからにはもう忘れることはできない。
死んだと思っていた母親が生きているということは、
嬉しくもあったけれど、

では、どうして帰ってこないのか。 

どうして死んだこととして旅に出なければならなかったのか。
ナギやナミではなく、どうしてサギリに後を託していったのか。
どうして、十年たったら本当のことを話さなければならなかったのか。

どうしてどうして。 

知りたいことが胸の中に渦を巻いて、叫び出しそうになる。
このままで、今まで通りのサトの暮らしを
続けていけるとも思えなかった。

でも怖い。 

掟を破るのも怖いし、サトの外に出るのも怖い。



[第六章・ナギとナミ -4]へ、つづく

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