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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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第六章・ナギとナミ -18

「だから、お願い。サギリ」
「お願いします」

また二人が頭を下げる。

「もう、やめてよ…」

双子はいつだって傲慢で、
世界のどんなものも自分たちのためにあるように振る舞い、
回りを従わせてきた。
それに振り回されながら、
口がすり減るくらい「いい加減にしてよ」と言いながらも、
サギリはそんな弟と妹が好きだったのだということに、
今さら気付いた。
そっくりな顔で同じ角度にツンと顎を上げ、生意気な口をきく、
これからもずっとそんな二人でいてほしかった。


「はあ~~~~」

サギリは、今まで生きてきたうちで多分一番長い溜息を吐いた。

「お、とうとう観念したか」
「根負けというところでしょう」

シナツヒコとワカサヒコの軽口に言い返す気力はもうなかった。
代わりにサギリはナミに向かい、
聞いておかなければならないことを聞いた。

「そのお腹の子は、いつ生まれるのよ。
 遅くともそれまでになんとかしなきゃならないってことでしょ」

「えーと、子供っていうのは十月で生まれるっていうでしょ。
 だから、今が七の月だから、生まれるのは来年の五の月
 なんじゃないかしら…」

首を傾げながらナミが指を折った。
どうにも心許ない。
それに今から十ヶ月後って、

そんなことがあるものか



[第六章・ナギとナミ -19]へ、つづく

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「稀人」の訓読みは「マレビト」
つまり、「マレビト」とは、[稀人舎]を運営している者のことです。
このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
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