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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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第六章・ナギとナミ -13

思わず間抜けな声を出してしまった。
ネサクは毎朝、戸口を開けるときに結界を張るトナエゴトを唱え、
柏手を打っていたのだ。

「あれは、結界を張っていたのではないの?」

「やっていたのはネサクでしたからね」

「あいつに力がねえのは知ってんだろうが。
 真似事だけだよ、やつがやってたのは」

「しかし、その、カムナギが結界を張っている、ということをサトにいる他の人間が知っている、ということが重要なわけですよ。その皆の思いがこの家を守っているということです」

サトの者達を守っているはずのカムナギが、
そのカムナギであるというそのことによって、
サトの者達に守られている。
二重の守りのシステムが機能しているのだ、
とワカサヒコの説明を聞いて、サギリは少し感動した。

自分はカムナギとしてサトを守らなきゃと、
そればかり言われてきたが、
それは一方通行の奉仕ではないのだということだ。

あったりめえだろうがよ。
 なんで人間は寄り集まって暮らしてっかってえことを考えやがれ」

「しかし、そうすると、
 サギリがこの先どうするかという結論を出さないでいることが、
 守りを弱くした
、と言えるわけですね」

せっかくいい気分に浸っていたのに、
ワカサヒコの一言で瞬時にサギリの眉間には縦皺が寄った。



[第六章・ナギとナミ -14]へ、つづく

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「稀人」の訓読みは「マレビト」
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このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
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