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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
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「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
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第八章・西のホラ -4

サギリの膝の高さまで生い茂る草をまたぎ越して、
洞窟の中に足を踏み入れる。
数歩行っただけで、
自分が瞼を閉じているのか開いているのかもわからない
暗闇になった。 

ネサクの葬列に付いてこの洞窟に入ったときは、
弔いの松明を持った男衆が列の先頭と最後尾にいてくれた。
背中に背負った荷物から携帯用の灯りを出して
点けようかとも思ったが、
この洞窟はそれほど長いものではなかったと思い直して、
手探りのまま進むことにした。
枝道もなかったと記憶している。

右手で、冷たい岩壁に触りながら、
そろそろとすり足で歩く。
つい数日前に大勢で歩いたのと同じ通路のはずなのに、
灯りがないというだけで、まったく違う場所のようだった。

十歩ほど進んだと思ったところで後ろを振り返ってみて、

ぎょっとした。 

入ってきた洞窟の入口が見えない。進んだのはほんの十歩だ。
さほど曲がったようにも思えなかった。
なのに後ろも前も同じ、真っ暗闇だ。
右手を壁に付けていなかったら、
自分がどちらを向いていたのかも、
わからなくなっていたかもしれない。

「シナツヒコ、ワカサヒコ?」

心細くなって、思わず二人の名前を呼んだ。
洞窟に入るまではぴったりとそばにいたはずの
二人の気配が、妙に遠い。
完全に気配が消えたわけではないが、
分厚い壁の向こうにいるような、
声の届かないもどかしさが感じられた。

「…………」

案の定、返事はない。
返事をしても、サギリのところまで届かないのかもしれなかった。

何者かによって二人と引き離された。



[第八章・西のホラ -5]へ、つづく

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