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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
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第八章・西のホラ -32

「ほほお……こうなっていましたか」

「こりゃ、重てえわけだなあ。よくこれ担いできたな、男衆のやつら」

「だいたい、この重さで疑問に思わないものなんでしょうかね。これじゃあ、人ひとりの重さよりも相当重いでしょうに」

「人間なんて、その辺の感覚はいい加減だからな。しかも何人もで担いでると、他の連中が文句言わねえのに、自分だけが『なんか重いんすけどー』なんてこた、言えねえだろ」

「そうですねえ。しかし、こんなもの、いつの間に用意してたんでしょうか」

「俺らが知らねえってことは、ヒルメがこっそりやってたってことだろ」

「しかし、これひとつひとつでもヒルメひとりで持てますかねえ」

ネサクに手伝わせたのかもしんねえよ」

「ああ、ネサクでしたらヒルメのいいなりでしょうからね。そして『死んだ』という嘘までつかされるとはねえ。なんとも麗しい夫婦愛じゃありませんか」

「麗しいっつうか、俺はネサクが哀れになってきちまったぜ」

「それを言ってはおしまいですよ。それに案外、ネサクも食えないところがある人ですし」

「まあ、なあ。あいつはあいつで龍神の家のことまで背負ってるってんで、いろいろ考えてたみてえだしなあ」

「それよりも、これは、やはりサギリに渡すために用意されたものなんでしょうね」

「それ以外考えられねえよ。まあ、この石人形は違うだろうけどな」



[第八章・西のホラ -33]へ、つづく

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