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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

お知らせ
「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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第五章・結界門 -8

強い力がサギリの頬や瞼を後ろの方向に引っ張り、
衣の裾がはたはたと激しくはためく。
首の後ろでひとつに括った髪が後ろに向かって振り回されている。
大事にしている守りの石の付いた髪飾りが飛ばされるのではないかと、
サギリは右手を後ろに回してうなじを掴んだ。

小さな冷たい石が指先に触ると、
強い風に負けそうになっていた手足に力が戻った。

旅立ちのために身につけたものはすべて、
サトの水で清めて祈りを込めてある。
指先から石の冷たさとは違う、
澄んだ水の冷たさが流れ込んだように感じた。
びりびりと震えるほどの思い力で押さえ付けられていた身体が、
少し軽くなる。

細長い裂け目の向こうに外側の風景が見えた。
足を踏み出し、腕を前に突き出して、出口の端を掴む。
その腕の力で自分の身体を引っ張った。
身体を投げ出すようにして穴をくぐり抜け外に出た途端、
サギリを押さえ付けていた力は唐突に消え失せ、
サギリは蹈鞴を踏んで地面に手を突いた。

肩で息を吐く。

首を捻って後ろを見てみると、思った通りどこにも壁などない。
明け始めた灰色の曇り空が低く広がっているばかりだった。



[第六章・ナギとナミ -1]へ、つづく

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「稀人」の訓読みは「マレビト」
つまり、「マレビト」とは、[稀人舎]を運営している者のことです。
このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
お読みになられましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せください。
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