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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
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第五章・結界門 -1

結界門のあたりはなにかの気が渦巻いているようで、
近付くにつれてサギリの足は重くなった。

捻れた木が両側から太い枝を伸ばし交差した所に、

蛇が一匹結び付けられている。 

「よお、サギリじゃないか。ここから出て行くっての。サトの掟に逆らってか。まあ、勇気のあるこったなあ。だがな、おまえはここを通ることはできねえよ。ほら、足が重いだろ。一歩一歩が辛いだろ。顔を上げていることもできないだろ。おまえはこのサトの正式な子供だからな。俺がこの結界門を守っている限り、ここからは出られないよ。おまえ達人間の前世は俺ら蛇族なんだからな。そんでもって、死ぬとまたまた蛇に還るってわけよ。ほらね、俺らってばこんな輪っかになってるでしょ。この輪っかの中に人間も入っちゃってるってことなのよ。この輪っかから出ちゃうってことはよ、転生の輪から外れるっていうことなわけよ。そんな怖いことはできないよなあ。家に帰って謝ったらどうだい。まだ一晩も経っちゃいないし、おまえはソトの食べ物を食ってもいないだろ。まだ帰れるさ。
 おまえはここを通らず、帰ってしまえばハチブなんてのにゃならないですむんだろ。悪いことは言わんよ、帰った方がいいよ。転生の輪っかから外れたらおまえ、死んじまったらもうおしまいってことよ。それでもいいっての」

「サギリ、鉈」 

きいきいと際限なくしゃべり続ける蛇を無視して、シナツヒコが言った。

蛇の話は何度も聞いて知っていた。



[第五章・結界門 -2]へ、つづく

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