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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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第一章・アシワラノヤチノサト -7

死んでからもカヤノは、祖霊達の集まる奥の座敷から
と滲み出てきてはよく二人の世話を焼いている。

カムナギの家には不吉とされる男女の双子が、
よそへ出されることもなくこの家で大きくなれたのはカヤノのおかげだ。

「預かりものだから」 

人に二人のことでなにか言われると、カヤノはよくそんな風に言った。
それはどういうことかと訊いても、うっすらと笑うばかりで答えない。
白髪の小さな髷を乗せた頭を振り立てて
幼いナギとナミを追い回しているその姿に、
うるさいことを言う者は次第に減っていった。

今もカヤノの幽霊は肩口のあたりの輪郭をぼやけさせながら、
二人の世話を焼いている。

「ああ、ああ、そうじゃあなくて、 
 弔いのときはこっちの帯をこう結んで」

「ナミの頭はこの色の組み紐で結うんですよ、 
 早く結ってもらいなさい」

人にあれこれ指図されるのをことのほか嫌うナギも、
カヤノにはおとなしく従っている。
サギリは自分で自分の身の始末をしながら、
いつものことながらほんの少し溜息をついた。


たくさんの明かりが灯された土間にはネサクのための棺桶が担ぎ込まれ、
身体を清めてもらい死人の衣装を着せられたネサクが
そこに納められようとしていた。
並外れて大きいネサクの身体は、
若者が五人がかりでも持ち上げるのに難儀しそうだった。

そこへ、ネサクの弟であるイワサクがやってきた。



[第一章・アシワラノヤチノサト -8]へ、つづく

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このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
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