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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-9

あ、そうでした。
イザナギがヨミノクニ(ようするに死んじゃった人の行くとこ)に
行っちゃった嫁のイザナミと喧嘩して、
ヨミノクニから帰ってきた後に、
目だか鼻だかを洗ったら生まれた神様なんだよな。

ヘンなの。

「んじゃ、タカミムスビってなんなの?」

たしか、古事記では最初の方に名前が出てきたはず。
なんだっけ?

『あめつち初めてひらけし時タカマガハラに成れる神』じゃ。その時一緒に生まれたのは、アメノミナカヌシとカミムスビじゃな。で、『この三柱の神は、みなひとり神と成りまして、身を隠したまひき』じゃ。身を隠したと言うとるくせに、後からなんじゃかんじゃと出張ってきて、アマテラスにあれやれ、これやれと命令しとる。天孫降臨のときとかな。アメノミナカヌシとカミムスビはそんなに何度も出てこんくせに、こいつだけはあちこちに出てきよる」

親父、タカミムスビさんのことが嫌いなんですかね?
今の台詞は吐き捨てるようですよ。

「ひとり神」ってことは、嫁がいないってことだよな。
ってことは子孫はいないはず。
天地創成のときに現れて、
子孫を残さずにすぐにどっかいっちゃったってこと?
それなのに、神様の国のタカマガハラになんか起こるたんびに出しゃばって、
一番偉いはずのアマテラスに命令してるってことか。

古事記とか日本書紀ってのは、
当時の朝廷が自分らの国の歴史を書いとかねば、諸外国に遅れを取るってんで、
自分らの正当性を主張するために編纂されたようなもんだからさ、
血筋ってのが結構重要視されてんだよな。
あの神様の子孫がこの家来の一族だ、とか、
この神社はこの神様がああしてこうして建てたもんだとか、さ。
当然一番偉い天皇は、神様の中でも一番のアマテラスの子孫だ。
現実の政治と密接に関係してる。

それなのに、そこに血の繋がってないタカミムスビなんてゆう、
ずーっと前に身を隠したはずの神様が出てきて、命令までしてるって、
そりゃ、一体どうゆうこってすかね?

その辺が親父の吐き捨て台詞になってるわけですかい?



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-10 へ、つづく

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