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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-8

「おまえが向こうで会ったと言うておったアマテラスと、あと、タカミムスビじゃな。やつらっちゅうのは」

今度はあっさり教えてくれましたね。
こないだは「まだその時ではない」とか言ってませんでしたかね?
もう「その時」になったんですかね?

「名前知っちゃったら、俺、向こうに取り込まれちゃうんじゃねえの? こないだ、んなこと言ってなかった? そんで教えてくんなかったじゃん」

ちょっとイジケ気味?
だって、親父の考えてることもやってることも、
さっぱりぽんとわけわからんのだもの。
少しくらいすねてみてもバチ当たんないよね。ね?

「なにを言うとるんじゃ。おまえは向こうでアマテラスと接触したと言うておったろうが。そんなことになっとるのに、名前を知ったらどうとか、もうそんな段階ではないわい。敵は、できればおまえをなんも知らないまんまで取り込んで、味方、ちゅうか手下にしたかったんじゃろうがの。おまえはアマテラスとは敵対すると、自分でそう決めたんじじゃろ? 向こうさんじゃとて、今頃作戦を練り直しとるわ」

って言いましたね、って。
はっきりと。

そうなんだー。

親父はこの、イズモノクニっつうもうひとつの世界で、
敵と戦ってんですね。
それでずーと家にも帰らなかったんですね。
なんで敵なのか、なんで戦ってんのか、
そのへんはおいおい聞くとしても、
今はそれがわかっただけでもひとつレベルアップって感じだよ。
今まで、親父はなにしてんのか、俺になに期待してんのか、
さーっぱりわかんなかったんだもんよ。
とりあえずは、俺は俺の動機でもって、
親父と共通の敵と戦えばおっけーってことなんじゃん?

と、そうとわかったら情報収集だよ、まずは。

「アマテラスと、そのタカミムスビって、どういう関係なのさ。仲間?」

タカミムスビって、
この前こてんぱんにしてトリカミノサトから追い出した
オロチの民のムラオサが、

「俺には、タカミムスビのお方がついていてくださるのだー」

とかなんとか言っていた、あのタカミムスビ様でしょ?

アマテラスも

「われは、タカミムスビに連なるモノじゃ」

とかなんとか言ってたよな。
なんか偉い人みたいだよな。 

「仲間、ちゅうか……。おまえ、勉強しとらんのか。大学に入ったとか言うとらんかったか?」

はあ、とため息ひとつ。
すいませんね。ダメ息子で。

「古事記とか日本書紀とかに書かれてるのと同じじゃよ。今のところは、じゃがな。アマテラスはタカミムスビの手下っちゅうところじゃな」

へ? 古事記にそんなこと書いてありましたっけ?
日本書紀の「あるふみにいわく」かな?

「タカミムスビって、アマテラスの親とか爺さんとか、そんな関係じゃなかったっけ?」

神様たちの関係って、よくわかんねえんだよな。
文献によって違ってたりもするし。

「アマテラスの親は、イザナギじゃろうが。この阿呆が



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-9 へ、つづく

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