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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-26

はえっ!?

あっちって?
えーと、俺が元いた世界ってことだよね?
こんな、ありえねー青い空じゃなくて、
晴れてても薄青い色の空で、
アスファルトとコンクリートと
鉄筋とガラスでできた街があって、
ケータイ電話とテレビとパソコンがある、

あの世界だよね?

古事記と日本書紀には、
カムヤマトイワレビコノミコトの諡号は
神武天皇って書いてある、
あの世界だよね?

「えーと……、あっちって、こっち?」

いろいろいろいろ言いたいことはあったけど、
なんて言ったらいいかわかんなくて、
アホな子みたいな言い方になっちゃったよ。
あっち向いてこっち向いてごっつんこ〜、じゃないんだから。

「そうじゃよ」

あ、そんな憐れみの目で見ないで。
「おまえはホントにしょうむないやつじゃのう」って、
その禿げ上がったおでこに書いてありますよ。
この場合、それは認めざるを得ませんけどね。

「してみると、そのヤマトノクニの連中に入れ知恵しとるタカミムスビという者は、マレビトということなのかの?」

そうです。
ここイズモノクニでは、普通の人が行き来できない、
俺が元いた世界から来た人間のことを
「マレビト」と呼んでいるんです。

ん?

てことは、親父はここではマレビトっつうことで
正体がバレてんのね。

「そやつは、なんとゆうかのう。征服した者らの精神面ちゅうか、信仰的なところから支配しようとしとるんじゃ」

「精神面?」
「信仰?」

ミツハとサトオサが「なんじゃその外国語は?」ってな、
素っ頓狂な声を上げた。

そうだよなー。
そんな形而上的な概念なんか、
普段の生活に必要ないもんな。
俺も、学校の眠い講義がなかったら
そんな言葉、頭の中に存在しないよ、きっと。

「精神面ちゅうのは、ちと抽象的すぎるか……。まあ、ものの考え方くらいのことじゃな。信仰ちゅうのは、あれじゃ、なんの神様を拝むかちゅうことじゃな、平たく言って」

「なんの神様を拝むかって、いろんな神を拝むがの。そのときによって」

「そうそう、神様ったって、たくさんいるじゃないですか。わたしらには見えませんけどね。そのためにサトにはカムナギがいて、神々の言うことやすることをわたしらに教えてくれるんですしね」

ミツハは、カムナギの家の一員としてなのか、
ちょびっと胸を張ったりしてる。
ま、シャーマンてのは重要な役割だよな。
こういう、自然の力の方が強い環境で、
人間たちがひとつの共同体を維持していくにはさ。
誇りに思うのもわかるよ。

いいよなー、こっちの世界のカムナギは。
こんな名誉な役割があってさ。

それに引き換え、俺はなんだよ。
同じ不思議能力保持者だっつうのに、
あっちの世界じゃ変人扱い、
下手したら隔離病棟だよ。
俺もイズモノクニに生まれたかったな。

さっき、おふくろとぎゃあぎゃあ言い合ってた内容を
つなぎ合わせて推察するに、
サギリの母ちゃんのヒルメはミツハのお姉さんで、
親父の現地妻のアキヅは妹らしい。
するってえと、
ヒルメ、ミツハ、アキヅっていう三姉妹ってことだよな。
サギリによれば、ヒルメは優秀なカムナギだったらしいけど、
ミツハはその力を受け継いではいない、と。

カムナギの力、もしくはバケモノ検知能力ってのは、
親から子に受け継がれるものみたいだけど、
親がそうだからその子供が全員能力保持者になるっていう
優性遺伝じゃないみたいだ。
俺は親父から受け継いだけど、
もし兄弟がいたらそいつはどうだったかわからない。
あ、腹違いの弟くんのジヌミは違ったな。
あいつは顔自体が超能力だけど。
剣豪男子のくせに、
見た人の頭ん中をお花畑にしちゃうほどの美少女顔。
破壊的美貌の持ち主だ。
ある意味、カムナギより強力。
あとは……、
ミトちゃんとこみたいに、
隔世遺伝で一代抜かして、
お祖父さんから孫へっていうのもアリらしい。
しかも、あそこは姉妹二人で能力分担っていう複雑遺伝だ。



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-27 へ、つづく

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