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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

お知らせ
「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-23

「で、ヒルメはどこにおるんかね?」

囲炉裏のそばに座った親父に、
土間に立ったままのサトオサが詰め寄ってる。
なんかなごやかになっちゃってたおばさんたちも
「そうそう」なんつって、向き直った。

みんなに囲まれて見下ろされるカタチになった親父は、
それでもなんか偉そうにウムウムとか頷いてる。

その自信はいったいどこから!?

俺も親父くらいになったら、
そんな自信満々爺になれるんですかね?
頭皮に関する遺伝子はいらないですが、
自信満々遺伝子はちょっと欲しいかも。

「ヒルメは、ヤマトノクニちゅうところにおる」

「ヤマトノクニ?」
「ヤマトノクニ?」

サトオサとミツハおばさん、ハッピーアイスクリーム。
ハモっちゃってるよ。

「ここの西にある八つ山の向こうの南の方じゃな。大勢の兵隊を連れてきた奴らが、ここ十年ほどの間に作ったミヤコじゃ」

「ミヤコ?」

サトオサ、また疑問形。
ヤマトノクニっつったら、大和朝廷だよな。
で、兵隊連れてやってきた奴らが作ったってことは、

それは神武東征

えーと、神武東征ってのはですね。
大和朝廷の初代天皇である神武天皇が、
九州のどこやらから出発して、
あちこちの地元民をあるときは武力で、
あるときはだまし討ちで、
またあるときは話し合いで、
やっつけ征服し、従えながら東に向けて突き進み、
今の(ってかあっちの世界の)近畿地方のどこだかに
拠点を作ったっていう、そんな日本建国物語なのですよ。

ちなみに、古事記と日本書紀に詳しく載ってます。
要参照のこと。

「んじゃ、神武天皇てのがいんの? そのミヤコには。それって大和朝廷ってことでしょ? 俺らの世界で言うとこのさ」

「ミヤコなんつうもんを作って、そやつらはなにをしようとしとるんかの?」

「ヤマトノクニというのは、イズモノクニとはどこか違うものなんですか?」

俺、サトオサ、ミツハから質問の嵐。
発言は挙手してからお願いします。

「ヤマトノクニは、単なる土地の名前ちゅうだけじゃのうて、行政区分も意味するとでも言えばいいんかのう」

親父は、「ちょっとおまえは待っとれ」っていう感じで目配せすると、話し始めた。
うんまあ、俺のよりも他の人たちの方がより根本的な疑問だもんな。

「イズモノクニちゅうのは、八つ山の向こうとこっち側の平野とそのまわりの山間部を含むあたりの土地を指す名前ちゅうだけのことじゃろ。そのイズモノクニの中には、いくつかのサトとサトよりも小さい集落のたくさんのムラがあるな」

うんうんとサトオサがうなずく。

「それで、それらにはそれぞれオサがおって、独自に仕切っちょる。それをな、ヤマトノクニのやつらは、全部自分らの言う通りにやれと、こういうわけじゃ」

「そんなこと、できるんかの?」

「そのための兵隊よ。言うことを聞かんかったら皆殺しじゃと言われたらどうじゃ?」



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-24 へ、つづく

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