忍者ブログ

マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

お知らせ
「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

 ←ランキング参加しています。上位に食い込めたら、こいつも有名ブログの仲間入りっ!?
よろしくです。(涙目)

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-19

えーと、要するに、
あとからやってきたおばさんが言ってる「アキヅ」さんてのが、
親父のこっちの世界での現地妻。
そして、俺の腹違いの弟くん、ジヌミのおっかさんてことなんだよな。
ということは、この顔のでかいおばさんは
サギリの育ての親のおばさんてこと?
でもって、親父は15年前に、
このサトからそのアキヅさんをたぶらかして連れ出した、と。
その時、親父の頭は今の俺くらいの髪の毛はあった、と。
これは、まあ、どうでもいいけど。
いや、俺的には第一の問題だけど、
みなさん的にはどーでもいいですねそうですね。
 
で、その時、親父は「スサノオ」と名乗っていた、と。
でもって、なんか知らないけど、
その「スサノオ」こと親父は、
どーもここのサトの人たちにはよく思われていないらしい、と。

こんなとこでしょーか。
はあ……、なんだか、ぼくもう疲れたよ、パトラッシュ。

「あの」

お尻のプリッとした天使たちが迎えにきてくれないものかと、
俺が絶望して空を見上げていると、
おずおずって感じでサトオサが話しかけてきた。
ちなみに親父とおふくろとミツハっていうらしい
顔の広いおばさんはまだ泥沼中。

ぎゃあぎゃあ。

「あなたはその、ホントにあのスサノオの息子さんで?」

おや、親父のことはあんなにいやがっていたのに、
俺のことは嫌わないんですか?
まあ、俺は初対面だしな。

「そう、ですよ」

スサノオはホントは俺だけどな。
それ言い出すとまたややこしいことになりそうだから、
息子ってとこだけ肯定、のつもり。
俺って大人〜。

「なんでまたここへ?」

ああ、またそんなイヤそうに。
親父は15年前にいったいなにやらかしたんですか? ここで。

「ええっとぉ、俺たち旅の途中だったんすけどぉ、ちょっとトラブル……ってーか、えーと、いろいろあってですね、俺と、あの、おふくろがずぶぬれになっちまったものでぇ、どこか服を乾かせるところはないかっていうことでぇ、このサトが一番近かったんでぇ……」

泥沼中の親父たちがそばにいるもんで、
なにをどこまでどう話していいものやらわかんなくて、
バカみたいなしゃべりかたになっちゃったよ、うえーん。

ボク、普段はもちょっと賢い子なんですようう。

「おお、そういえば服が濡れておるな。川にでも落ちなさったか」

なんだかんだで、シャツなんかはもう半乾きですけどね。
でもズボンとパンツはまだぐっしょりです。
思い出したら寒くなってきた。
背中からぶるっと震えもきた。
わざとらしいけど、でもホントだよ。

「風邪など引いてはいかんな。まあ、しょうがあるまい。入りなされ。そこの、ほれ、おまえたちも、まずそのおなごさんも着替えが必要なんではないですかな」

おお、サトオサさま〜。話がわかる〜。

「ええっ! サトオサ、このスサノオをサトに入れるって言うんですかっ!? アキヅを放り出して他の女と旅なんかしてるような男ですよっ。15年前に、この男がなんと言ってアキヅを連れ出したか、お忘れなさったか!」

「わたくしだって、今日、七年ぶりにやっとやっとこの人に会えましたのよっ! 放り出されていたのは、そのアキヅさんだけではありませんわ!」

おふくろ、それ、あんまり反論になってない気がしますよ。

「そんな男をサトの中に入れるなんて、ヒルメがいたらなんて言うか……私はそれを考えたらもう……」

おばさん、おふくろの話なんか聞いちゃいないし。
それに、涙も出ていない目を袖で押さえる真似までして、結構演技派?

「おお! ヒルメ!」

それまで、おばさん二人のぎゃあぎゃあに挟まれて、
「あ」とか「う」とか「ま」とか
情けない声しか出せなかった親父が急に大声を上げて、
ポンと手を打った。
ああ、びっくり。
おばさん二人もびっくり。

「ヒルメの居場所なら知っとるぞ」

爆弾発言だし。



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-20 へ、つづく

↓ポチッとよろしく。励みになります!


PR
この記事にコメントする







  Vodafone絵文字入力用パレット表示ボタン i-mode絵文字入力用パレット表示ボタン Ezweb絵文字入力用パレット表示ボタン

この記事へのトラックバック




ごあいさつ
稀人舎ロゴ
個人で出版活動をしている[稀人舎](キジンシャ)と、申します。
「稀人」の訓読みは「マレビト」
つまり、「マレビト」とは、[稀人舎]を運営している者のことです。
このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
お読みになられましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せください。
好評なものは、「引き出し」から出して、本にすることもあるかもしれません。

ここに公開している創作物の著作権・出版権等の権利は、その作品の著者にあるものとします。
無断転用はおやめください。
なにかにご紹介いただけるときなどは、
[稀人舎]まで、ご連絡ください。
よろしくお願いします。
あ、リンクはフリーでございます。何卒よろしくお願いいたします。
最新コメント
[04/28 ゆっきー]
[11/18 管理人]
[11/17 ちあき]
[02/15 管理人]
[02/15 ちあき]
稀人舎の本
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
シングルマザーとシングルファーザーの結婚は、問題山積みで… 家族も自分たちも幸せになるために、彼らが取った方法は…?

飲んだくれてふる里
飲んだくれてふる里
山形県鶴岡市の思い出エッセイ集。鶴岡の飲み屋で拾った、ちょっと懐かしい話がいっぱいです。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
アクセス解析

AdminControlMenu: AdminMenu | NewEntry | EditComment | EditTrackback

忍者ブログ [PR]