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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-18

えええー!?

あ、でも浄化の光が効いたしな。結界も。
どうゆうことなんだよ、一体。

「どこぞの誰かが、バケモノの要素をこやつの身体にのりうつらせて操っておったんじゃな」

どこぞの誰かって、誰ですかっ!?
それってやっぱ、俺らの敵のあのお方ってこと?

「バケモノを人の身体に? そんなことができるのか? しかし、それがなんで狐なんじゃ?」

このなんか偉そうな爺さんが、こわごわって感じで聞いてる。
心なしか腰が引けてる感じー。

「まあ、そんなことができるのは、ちと特殊な力のある者じゃな。そんでもって狐は幻覚じゃよ。わしらはみんな、そのバケモノを送り込んできたやつの術にはまったちゅうところじゃろ」

「で、そのバケモノはどうなったんじゃ。まだそやつの、オシオの中におるのじゃないのか?」

今度はあからさまに一歩後ずさったよ。

阿呆が。バケモノはさっきわしらが浄化して祓って、結界まで張ってやったわ。今ここにおるのはただの人間じゃ。それも死にそうに弱っとる人間じゃと言うとろうが。今は浄化されてバケモノは消えとるが、こやつは相当弱っとるから、このままにしとったらまたぞろバケモノを送り込まれておんなじことになると言うとるんじゃ」

「しかし、サトの掟が……」

「掟掟と、そんなもんにいつまで縛られとるんじゃ。おまえ、サトオサじゃろう? サトオサがいいと言えばそれでしまいじゃろうが」

お、なんか親父かっこいいじゃんよ。
ハゲ同士の戦い、今回は親父の勝ちーって感じ?
サトオサじゃろ、と言われた爺さんはしぶしぶって感じだけど、
それでも二三人のおっさんに命じて、
倒れてるボロクソ人間をやっとこさ運ばせ始めた。

どこに運べとか誰に連絡しろとかいうらしいことを
こまごまと言いつけたあと、
サトオサは非常にイヤそう〜にこっちを向いた。
なんでそんなにイヤそうなんだよっ。
俺らがなんかしましたかっ!?

「おぬし、ホントにスサノオなのか?」

サトオサは親父のつま先から、
じとーっと視線を上へ動かしてる。
足、胴体、顔ときて、頭頂部でその視線の動きは止まった。
止まってるよ。
ハゲ頭頂部から目が離せなくなったみたいだ。

「そ、そうじゃと言うとろうが」

親父、声が小さくなってますよ。

「ウソじゃろ」

おお! サトオサ、親父のウソを看破。
さすが一族の長、サトオサの眼力。
はげ頭を見つめながらってのが妙だけど。なんで?

「おぬし、そんなハゲじゃなかったじゃないか」

ぶは。そこかよっ!

「15年もたてば、髪の毛くらい抜けるわ!」

んじゃ、親父は15年前はフサフサだったと?

「おまえだって、ハゲとるじゃないか」

なんか、レベルの低い争いになってますが。

「わしは15年前からこんなもんじゃ。おぬしは、15年前は、ほれ、そこの若者くらいはあったではないか」

ええー! なんですと!?

俺? 親父は昔は俺くらい髪の毛があったって?
……ということは、俺の将来って………うわーーーん!

「大丈夫よ。わたくしの家系にハゲはいませんもの〜。お父様の遺伝子とわたくしの遺伝子のどっちが勝つか、二分の一の確率ですわね〜」

思わず自分の頭に手をやった俺をおふくろがハゲましてくれた……って、
ダジャレ言ってる場合ですかっ!?

「ちょっと! そこの若者はもしかして、アキヅの息子なんじゃないですか?」

まだそこらにたむろってる人の群れをかき分けて、
さっき駆けつけてきた顔の大きなおばさんがすぐ目の前に現れた。
ああ、びっくりした。

「え」

「いや、ちが……」

「あなたさんがホントにスサノオだとしたら、15年前にここから連れていったアキヅと一緒になったはずでしょう? そんなに顔が似ているということは、息子だとおもうんだけれども、そうしたら、母親はアキヅということですわねえ? ねえ?」

おばさんは、俺の袖をつかんで顔を見上げてくる。
そんなに俺、親父に顔似てますか。
親父の遺伝子の方が勝ってんじゃないすか〜。

「ああ、ミツハ、ミツハじゃな? 久しいのう。わしを覚えてくれておったか。あのな、これは違うんじゃ。いや、これはわしの息子なんじゃが、その……」

「まあああ! アキヅってどなたですのっ!? この子の母親はわたくしですわ。この、ク・シ・ナ・ダ、ですわっ! 他に誰がいるっていうんですの? なんて失礼なことを言う方なんでしょ。あなた、ちゃんと説明してくださいな!」

「ええええ!? その息子の母親がアキヅではないと? では、アキヅはどうしたんです? どうして違うおなごと連れ立っているのです?」

ああ、泥沼。



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-19 へ、つづく

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