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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-11

「神様なんじゃないのかよ、そいつ」

俺様、まだちと混乱中。
タカミムスビが神様なのは、俺の元の世界でのことだ。
こっちではどうだかわからんのよね。

うーん、ややこしい。

案の定、親父は冷たーい目で、俺の発言を即否定だ。

「神なんかであるものか。アマテラスも人間じゃったと言うとったじゃろう、おまえも。タカミムスビも人間じゃよ」

親父はすごーく苦いもんでも口に入れたような顔をした。
なんか、いやーな思い出があるんですね、そいつとは。

「あやつのバカな考えを改めさせようと、わしはあれこれやっとっての。それで家にも帰れんかった。この七年の間でカタがつけばよかったんじゃが、最初に恐れとったように、やはりおまえの力まで借りねばならんようになってしもうた」

俺を巻き込むために、周到に用意してたくせにー。
なにすまながったフリしてんだよ。

「俺の力でよかったら、貸すけどね」

ああ、心にもないことを言っちゃう俺。

この口! この口が悪い! 

……でもなー、なんか親父しょんぼりしてんだもん。
しょぼり親父なんて見たくないよ。
チビハゲがますます惨めに見えるじゃんかよ。

「あのあの、でもさ、力は貸すけど、ちゃんと説明はしてくれよな。なんかもう、わけわかめで振り回されんのはやだよ」

あわてて、言いたいことは言っとく。
ホント、巻き込まれ型主人公ほどつらいものはないっすよ。
自発的に動きたいもんだよな。
やっぱさ。エンディングまで突き進むためのモチベーションが違うでしょ。

「うむ、長い話になるからのう。おいおいの……」

とか言ってるうちに、またなんかイベントが起こっちゃって、
説明聞いてる暇がなくなっちゃうんじゃありませんですか?

今説明してよ、今!

「それよりも、わしから聞きたいこともあるんじゃがの」

俺が親父に教えられることなんて、あるんですかっ?

「あの、わしを突き飛ばしていきおった娘の名前は、名字はなんといったかの?」

なんだ、そんなことか。
ツキミの名字って、なんだっけ? うーんと……

「たしか、海原…だったと思うよ、海の原っぱ。海原月美。読みは、ウミハラで合ってると思うけど、ウナバラだったかも」

ミトちゃんも他のやつらも
「ツキちゃん」とか「ツキミ」としか呼ばないからな。
心許ないデス。

「海原、か……。そうか、あの娘が、そうか……」

親父は、どっか痛いような表情をして、道の先を仰ぎ見た。
まるでその先に、走って遠ざかっていくツキミの後ろ姿が見えているように。
俺も同じようにして、伸び上がって見てみたけど、
細い山道は緑に覆われているばかりで、
ツキミの姿なんかどこにもなかった。



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第六章・アシワラノヤチノサト-12 へ、つづく

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