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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

お知らせ
「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第五章・書斎、そして墓場-4

「たぶん、あちらの世界では、そこに暮らす多くの人間が神という存在をまだ純粋に信じているんでしょう。山の神のようなモノは、そういった多くの人間たちの総意の元にカタチを与えられているモノなのですよ。ですから、格が違うというのです」

「俺らは、だから、おまえ限定の神様だってんだよ。だから守護霊だって言ってんだろーがよ」

「ですから、この世の事象で神々が知らないものはありえないというのも、スサノオ限定というわけなんです」

んなこと、初耳でーす。

「わざわざ言わねえよ。んな、自分の弱点なんざ」

それって、弱点って思ってんだ。

「なんでもわかっていると言っておいた方が、なにかと便利でしょう。特にスサノオに指図するときには」

「なんだと、ごるぁあああ!」

思わず出ちゃう大声。
ひでーよひでーよ。親父もワカサヒコもシナツヒコも。
またしても俺の人間関係崩壊。
あ、こいつらは人間じゃないけど。

「どうしましたの〜? スサノオ〜。なにを大声出してるんですの〜?」

ぎーっと扉を開けて、おふくろが顔をのぞかせる。

「あああ、ごめんなさいごめんなさい。なんでもないですなんでもないです」

あわてて扉を閉めようとする俺の手を押さえて、
おふくろは顔だけ書斎の中に突き出して、キョロキョロと室内を見回した。

「ひとりで、わあわあ言って〜。驚くじゃないですか〜。……ああ、いつものわたくしには見えないお友達ですわね」

おふくろには、ワカサヒコとシナツヒコの姿は見えない。
見えないはずなのに、ふたりはなんかかしこまって、
おふくろに向かって愛想笑いなんかしてる。ヘンなの。

「いろいろ協力していただいてるんでしょう〜? 喧嘩はダメよ〜。仲良くなさいな〜」

仲良くって言われてもなー。こんな奴ら。

「それよりも、まだ出かけませんの? 早くしないと日が暮れてしまいますことよ。日が暮れたあとのお墓って、気持ちのいいものじゃありませんから、お昼くらいには出かけた方がいいんじゃありませんかしら〜」

もうすっかり出かける準備万端のおふくろ。
ううーーーん、やっぱ一緒に行くつもりかー。困ったなー……。

「うんうん、もうちょっと待ってて、まだ調べものが見つかんなくて」

「んもう。スサノオ、勉強不足なんじゃありませんこと〜? 調べものなんて、お父様だったらすーぐでしたわよ〜」

あー、それは痛いほどわかっております、勉強不足。
だから言わないで。お願い。
そして親父と比べるのもヤメテ。
とは言わずに、俺はただ「うんうん」とうなずいて、
おふくろの顔を押し出して扉を閉めた。

ワカサヒコたちは、扉の向こうに消えるおふくろに手なんか振ってる。

「おふくろって、ホントにおまえらのこと、見えてないんかな?」



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第五章・書斎、そして墓場-4 へ、つづく

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