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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」第五章・書斎、そして墓場-22

懸垂の要領で身体を支えつつ、降りたんだよ。
飛び降りたりなんかしないですよ。
どんだけ深いかわかんないのにさ。

見上げると、入ってきた穴が四角い光になって頭の上に見えている。
俺の身長よりちょい高いくらい。手を伸ばせば届く。
回りは三百六十度真っ暗。
手を水平に伸ばして、ぐるーっと振ってみてもなにもない。

しょうがねえなあ。

俺は背中のバッグから懐中電灯を取り出した。
ゆうべのうちに出来るだけの準備はしといたんですよ。
夜中のうちにコンビニにも行って、
カロリーメイトとチョコも買い込んどきました。
山で遭難したときはチョコが命綱。
前回のときは山ん中で、マジ遭難しそうになったもんな。
そうですよ。ゆうべから俺の計画は決まってたんです。

おふくろ置いて、自分だけイズモノクニへ。

……だって、そんときはそれが一番いいと思ったんだもんよ。
チガエシノタマがあればさ。
おふくろ時間では一瞬のはずだし。
それがチガエシノタマは取られるわ、
ツキミがなんだか敵キャラ化して現れるわで、
計画狂いまくりっすよ。どーしてくれんだ。

ミトちゃんのお父さんが貸してくれた最新式のやつじゃない、
うちの古い懐中電灯は、
スイッチを入れると、オレンジ色の明かりでぼんやりとあたりを照らし出した。

回りの壁にはシモブクレの美人や四神獣の壁画が!

……なんてこたあなくて、ただのコンクリの壁だ。
一メートル半四方くらい?
上から見当付けてたよりかは広いけど、でも狭い。
俺が両手をいっぱいに広げたら楽に端から端まで届く。
で、問題の通路はですね。
俺の右手にちんまりと口を開けておりました。
高さ一メートルくらいの入り口。

うえーん、狭いよ狭いよ。

これ通るのかよ。
身体を小さくする薬とか、その辺に落ちてませんかね?
そんなの探すよりも、突入した方が早いに決まってるから、
俺は腰を屈めて通路に入ることにした。
なんか足下がじゃりじゃりでこぼこしてると思って、

よく見たら、骨じゃん!

ああ、ここはお墓でしたよ。
隅の方には古そうな壷がごろごろ置いてある。
壷にも入れないで、ってか
古くなって壷が壊れたのか? 骨がそのまんま床にちらばってたりもする。
ここってば、高木家のご先祖の骨を入れとくとこなのね。
踏んじゃってごめん。南無南無。
急いでるもんで、今はユルシテ。

狭い通路に苦しい姿勢で入った途端、
湿った空気が押し寄せてきた。
回りの壁はコンクリではなく、岩だ。
ここは、きっともうイズモノクニだ。
なんかずいぶん前のような気がするけど、
ほんの二日前に行ってきたばっかしのあの、
なんかいろんなものの密度が濃いって感じのイズモノクニの空気だ。
外に出たら、きっとまたありえねえくらい青い空が広がってる。

おっと、忘れないうちに。

「ヤエガキッ!」

柏手をひとつ。
そうそう失敗はしませんですよ。
こんな狭いとこでバケモノさんにやってこられたら、
どーにもできませんからね。
俺だって学習することもあるんですー。
バケモノ避けの結界を張りつつ、
さらに前後に気を配りつつ、狭い通路を進む。



「素戔鳴流離譚・其ノ二」第五章・書斎、そして墓場-23 へ、つづく

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