忍者ブログ

マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

お知らせ
「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

 ←ランキング参加しています。上位に食い込めたら、こいつも有名ブログの仲間入りっ!?
よろしくです。(涙目)

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「素戔鳴流離譚・其ノ二」序章-1

(うっぎゃああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!)

俺の声なき叫びが深夜の八畳間に響き渡る。
ホントの叫び声じゃないところが俺の鉄の理性の賜物だ。ほめてほしい。
ほんっとうに、ほめてほしい。
十九歳男子のホントの叫び声が、深夜何時かわからないけど、
この静かなお屋敷の中に響き渡ったら、他の皆さん飛び起きちゃうでしょ。
でもって、俺が他の人には見えないナニモノかから
逃げ回ってるとこ見られたら、救急車呼ばれちゃうでしょ。
それよりなにより大迷惑でしょ。

でしょでしょ。

いつもの、ぞぞぞ〜〜〜っとした
バケモノの気配を感じて目が覚めて、
俺は一瞬自分の今置かれている状況が把握出来ずに混乱した。
だいたい、寝ている間にバケモノに襲われるなんて、
小学校の修学旅行以来のことだ。

日光なんて、バケモノたちの巣みたいな
東照宮なんてもんがあるとこなんだぞ。
そんなとこにいたいけな小学生連れて行くなよ。

んとにもう……。

っていってもそんなモノが見えて、
なおかつ襲われちゃったりするのは、
わが小学校の六年生児童124名中俺ひとりだったけどさ。
真夜中に叫び出してドタバタ暴れ回り、
同級生達の安らかな眠りを妨げた俺は、
「修学旅行で寝ぼけたやつ」ってことで
しばらくは校内最高有名人だった。
そんな噂には尾ひれが付くのはお約束で、最終的には

「修学旅行で、夜中に『ママーッ!』と叫んで
ママを探して走り回った揚げ句にションベン漏らしたやつ」


ってことになってたけどな。もう、こんなんばっか。
でも誰にも内緒だけどションベン漏らしたのはホント。

ちびっとだけど。

だって、日光のバケモノったらすげー怖かったんだもんよ。
東京の街中あたりで遭遇するやつらとは桁違い。
やっぱ歴史のあるとこにはむかーしからの
邪悪なもんが集まっちゃってんのかね。

怖い怖い……。

それ以来、俺は中学校の時も高校ん時も修学旅行はパスして、
つまんなーい青春を送ってきたんですよ。
だってさー、修学旅行ってのはさー、
奈良・京都とか、九州の太宰府とか、
歴史探訪みてーなことになるのが普通じゃん?

そ・れ・が! 

いかんのじゃ〜〜〜!

歴史あるとこに邪悪な思念あり、ですよっっ!
何千年も前からの、殺されたり虐げられたりした人たちの
恨みつらみがですね、
もわ〜〜っと、
どよ〜〜〜〜んっ
溜まってるわけですよ。その土地一帯に!

で、その邪悪な思念が寄り集まって凝り固まったもんが
バケモノってんだけどさ。
普通の人には見えないそれが、俺には見えちゃうんだよっ!

はっきりと! くっきりと!

小さいモノではバレーボールくらい、
でかいモノでは直径4メートルくらいの、
黒いぬめぬめした、なんとも言えない気持の悪ーいヤツがですね、
見えるとなったらほっとけないとか思うのかなんなのか、
そこんとこは語り合ったことがないんでわかんないんですけどね、
襲ってくるわけですよ。

ぐわーーーーーーーっと!

なんで?
俺は、おまいらのことが見えるだけなんですよ?
おまいらが襲ってきたりしなかったら俺はスルーですよスルー。
華麗にスルー。

それなのに……、ああ理不尽。
 

で? えーと……。
もう修学旅行って歳でもない俺がなんで、
純和風のお座敷の真ん中にフカフカのお布団敷いて寝てて、
そんでもってバケモノに襲われようとしてんでしょうか。
わが家の俺の部屋は、幽霊屋敷として
近所のガキんちょ共の間では有名な、
大正年間に建てられたふっるーい洋館の二階の、
これまたふっるーい洋間なんですよ。
夏暑く、冬寒い、日本の風土にまったく合っていない
素晴らしい物件ですよ。

それにだね。俺はわが家で寝てる時にバケモノに襲われたことなんて、
これまで一度もない。生まれてから十九年間、

一度も、ないったらない!

なんでかっていったら、うちには天然結界、
バケモノを絶対寄せ付けない真っ白光発生装置のおふくろがいるから……。
 
……あっっ!! 
思い出した! 



「素戔鳴流離譚・其ノ二」序章-2 へ、つづく

↓1日1回ポチッとよろしく。励みになりますです。
 
PR
この記事にコメントする







  Vodafone絵文字入力用パレット表示ボタン i-mode絵文字入力用パレット表示ボタン Ezweb絵文字入力用パレット表示ボタン

この記事へのトラックバック




ごあいさつ
稀人舎ロゴ
個人で出版活動をしている[稀人舎](キジンシャ)と、申します。
「稀人」の訓読みは「マレビト」
つまり、「マレビト」とは、[稀人舎]を運営している者のことです。
このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
お読みになられましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せください。
好評なものは、「引き出し」から出して、本にすることもあるかもしれません。

ここに公開している創作物の著作権・出版権等の権利は、その作品の著者にあるものとします。
無断転用はおやめください。
なにかにご紹介いただけるときなどは、
[稀人舎]まで、ご連絡ください。
よろしくお願いします。
あ、リンクはフリーでございます。何卒よろしくお願いいたします。
最新コメント
[04/28 ゆっきー]
[11/18 管理人]
[11/17 ちあき]
[02/15 管理人]
[02/15 ちあき]
稀人舎の本
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
シングルマザーとシングルファーザーの結婚は、問題山積みで… 家族も自分たちも幸せになるために、彼らが取った方法は…?

飲んだくれてふる里
飲んだくれてふる里
山形県鶴岡市の思い出エッセイ集。鶴岡の飲み屋で拾った、ちょっと懐かしい話がいっぱいです。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
アクセス解析

AdminControlMenu: AdminMenu | NewEntry | EditComment | EditTrackback

忍者ブログ [PR]