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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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終章 -12

俺はまだ腕を引っ張られたまま、川沿いの道を歩いていた。

「もういいよ。わかったよ。逃げねーから、ちゃんと帰るから離してくれよ」

腕を振って、血管が太く浮き出た手から離れた。
草原の真ん中をチビハゲの年寄りと黙って歩く。なんだかもー。

「どこまでついてくんだよっ」

ついに俺が口を開いたとき、それが聞こえた。

「スサノーオ──」

うわ。 
ずっと聞こえてなかったのに。うらめしや~復活だ。なんだよ急に。

「ああ、おぬし、大活躍じゃったからのー。見つかってしもうたかのー」

「誰に!?」 

「しっ!」 

アマノマヒトツノカミ(親父)……、

あーもう面倒だ。じじいでいいや。

じじいが人差し指を口に当てる。
それは万国共通の「黙れ、静かに」の合図ですね。

「むやみと声を出すでない。見つかるぞ」

どーすんだよー。

「じゃから、さっさと帰れと言ったのじゃ。今はまあ、山姥の錦も持っておるし、わしが一緒じゃから、大丈夫と思うが、急ぐ方がよかろう」

また腕をつかまれて、ずんずん歩く。
草原が途切れ、川通しの山道に入る。
はあ、ここからまた山道を歩くですか。
結構大変だったんだよな。
来るときはサギリと一緒だったから、喧嘩もしたけどでも楽しかった。
帰りはじじいと一緒かよ。

楽しくない。

しかし、俺らは山道に入って一番最初の大岩の前で、呼び止められた。



[終章 -13]へ、つづく

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