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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
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第十章・ヤマタノオロチ大作戦 -9

「んー、ちょっと違うと思う。う──ん、簡単に言っちゃうと、あたしたちの身のまわりにあるたくさんの神様たちやバケモノたちを、ぎゅーっとひとつにしちゃったのが龍神様なんじゃないかなーって思うんだよね。あたしたちが、ばらばらのごちゃごちゃのままにしてる、いろんな気配やらバケモノやら神様やらなんやらを異端の人たちはひとつにまとめちゃってるっていうか。あの人たちはいやなこともいいこともひっくるめて、龍神様一筋だし。だから、龍神様自体を倒すことはできないと思うけど、龍神様の中のバケモノ的な部分ていうか、そんなのを浄化してやることはできると思うよ」


「それ、浄化したら、龍神様はどうなっちゃうんだよ」

「さーね。やったことないからわかんないよ。そこらの神様とおんなじようになっちゃうんじゃないの?」

うーん……。
んじゃ、最悪それで、龍神様も八百万の神様たちのひとつに
なってもらって、こっちの信仰に取り込むって感じ?
でもなー。思想、信仰は個人の自由だからなー。
あんまし、その辺に介入したくはないよなー。
個人の自由を尊重しつつ、みんな仲良くが、
現代日本に育った俺の、普通の感覚なんですけどね。

できれば、そんな龍神様を浄化するなんてややこしいこと、
しないですむといいけど。
でもなんか、ただじゃすまないような気がしてならない。

俺の直感。

「あとさ、人間に結界って効くの? 昨日、アシナヅチが言ってたじゃねーか。五年前にえらいカムナギ様が来て結界張ったら、その後一年はオロチの民が来なくなったって」

「人間にバケモノ用の結界が効くわけないじゃん。それ結界じゃなくってさ、なんか脅しとかかけたんじゃないの?」

ありえます。なんせ、あの親父のやることですから。
でも、一年間も有効な脅しってなんだろう?
それを応用すれば、オロチの民をおっぱらうことができるんじゃないの?

うーん、わからない。
今考えてもわからないことなんだろうか。情報が少なすぎ。

ま、今できることをするしかないですかね。がんばります。

サギリには、念のため屋敷のまわりに強力な結界を張ってもらって、
すぐに出られるように、庭の近くの部屋に待機しててもらうことにする。



[第十章・ヤマタノオロチ大作戦 -10]へ、つづく

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