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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
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「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
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第十章・ヤマタノオロチ大作戦 -18

七つ目までの綱渡りは、どうにか落っこちないですんだようだ。

おっさんたちが酒の瓶を抱えて山へ入っていくのを見送って、
俺とジヌミはひとつ大きく息をついた。
外はもう夜が明けようとしている。東の空がぼんやり明るい。
あとひとがんばりだ。

庭のそばの部屋に行って、横になってうとうとしているサギリを起こす。
かわいそうだけど、これで最後だからちょっとスタンバッててほしい。
なんか起こりそうな予感がするんだよな。

はずれてくれれば、いいけどさ。

「ん、ああ、ごめん。寝てた。どう? 終わった?」

「うん、あとひとつなんだけど、ちょっと起きててくんないか? 最後のやつ、ちょっと手強そうなんだ」

最後にやってきたグループの、
ひとりだけガタイのいいムラオサのことだ。
横の連絡があまりないというオロチの民にも、
一応全体のオサのような存在があって、
このマッチョマンがそれらしかった。

「他のやつらはみんな返すって言ったんだよ」

という俺の(嘘の)言葉に、何人かのムラオサが、

「コシのムラオサもか?」と聞いてきて、
「そうだ」と答えてやると、
「そうか、じゃあいいよ」と簡単に説得された。

ちょっと恐れてもいるみたいだった。
まあ、怖いよね、でかいし。俺も怖い。

「あ、あの身体のでかいやつだろ? あいつが龍神様のお使いってことだと思うよ。入ってきたときちょっと見たけど、なんか気配が違ったもん」

「龍神を信仰してる人たちにも、そういうカムナギみたいなのがいるってことか」

「そだよ。うちのサトではネサクの父ちゃん、あたしのじいちゃんにあたる人がそうなんだけど、なんか自分自身ももう龍になりかけなんだって」

「なんだそりゃ」

「ひとつの神様だけを信じて祀ってると、そんな風になるらしいよ。ねえ、ワカサヒコ?」

二人の神は、このサトにきたときから、
ずっとサギリにくっついてフワフワしている。
あいかわらずの美少年ぶりだけど、
ジヌミの顔を見ちゃった後だと、なんか普通。
お花畑に飛ばないし。

……神様よりきれいな顔って、どーなのよ。

「そうですね。神と一体化することが、彼らの最終目標だったりしますから」

うへー、なんか気持ち悪い。
んじゃ、あのマッチョマンも龍になったりすんのか?

やだな。マッチョな龍。

「あの男は、まだそんな段階じゃないでしょう」

「まだ若えしな」

「でも、龍神をあやつったりは、できるってことか?」

「ま、ある程度はできるでしょう。そうでなければ龍神のお使いとは呼ばれません」

んじゃ最悪、龍神様とのバトルもありか。
ボスキャラ? レベルが足りませーん。 

「そのお使いさんを倒したら、龍神も消えるとかってことは……」

「ない」

そうですか。人間対人間だったら、
ジヌミがいるからもしやって思ったんですけどね。

「龍神は、それを信仰する人々の想いの総体ってことですからね。また別のお使いが現れるだけのことです」

「んじゃ、龍神自体を倒すことはできるのか?」

「倒すっていいますか、サギリが言ってたみたいに、一種の浄化みたいに、無力化することはできるんじゃないでしょうか」

最後はサギリ頼みか。俺の浄化の力じゃたいしたことないしな。

「あたし、今まで寝てたんだし、そんときがきたらがんばるよ。なんとかなるって。まっかしといて!」

その楽観主義、少し俺に……(以下同)

さて、じゃあ行ってきますよ。
サギリ、もしものときはよろしくな、と言って立ちあがると、
ワカサヒコが声をかけてきた。

「スサノオ、戦うときは、この間の山の中でのこと、思い出してみてください」

え? と聞き返したときはもう、ワカサヒコの姿は見えなくなっていた。

なんだよー。もっとちゃんと教えてくれよー。

山の中ってことは、あの、
自己記録最大のカメハメハが発射できたときのことだよな。
あれはまぐれだって言ってんじゃんよ。
自分でもどうやってやったかわかんないんだから、
思い出せって言われてもー。

サギリが戦ってるのを見てて、
こっちもチリチリしてきちゃったことかな。
今度もサギリが戦うのを見て、
それに合わせてやればまたあれができるってこと?

うーん、そんなうまく行くんかなー。

考えてもわからないことは、考えないっ!
俺は今、口八丁担当だし。

んじゃ。高木スサノオ、いきまーす。



[第十一章・最終決戦 -1]へ、つづく

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