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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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第六章・俺の息子?? -6

「おわっっ! バケモノ!」

俺が声をあげるのと同時に、サギリも気付いたらしい。
振り向きざまに手をかざす。
てのひらから白い光が発射されて、
こっちに突進してきていたバケモノどもにぶつかった。
先頭の二、三のやつらはパァァ──ンと消えてくれたけど、
その後ろからは、まだ向かってくるやつらがいる。

俺、こんなに大量のバケモノさんたち見たの初めてだよ。
今までは多くて三つ。
それだって大変だったのに、

どーすんだよ、これ───っ!

「スサノオは、そっちに隠れてなっ!」

サギリが、俺をかたわらの大木の陰に押しやる。
そのすきにも、バケモノの団体さんはこっちに迫ってきている。

うひ──。

またサギリは、トナエゴトなしに光を発射する。
すぐ近くに迫ってきていた大きめのバケモノが、一瞬で浄化された。

強ええ。

情けないけど、お言葉に甘えて俺は隠れさせていただきますよ。
バケモノ退治はサギリさんにお任せしますー。
念のため、結界を張ってみる。

「やえがきっ」

かしわ手。

さっきのサギリの結界に比べるとかなり貧弱な結界が、
俺の身のまわりだけに発生した。
サギリは次々と押し寄せてくるバケモノを、
「はっ!」「はっ!」と気合のこもったかけ声を発しながらやっつけている。
トナエゴト、いらないんですネ。
すげーなあ。
「はっ!」だけであれだけの浄化の光を作り出せるなんてさー。
しかも次々と。

でもキリがない。
ここから見えるだけでも、まだ十くらいのバケモノがいる。
倒しても倒しても、次々と木の陰から現れてくる。
どの木の陰から飛び出してくるかわからないから、気が抜けない。
ここから見てても、サギリのうなじのあたりが緊張してるのがわかる。
そうそう、戦ってるときって、
あのへんにチチーッと電気が走るみたいになるんだよな。トナエゴトを唱えて終わりに近づいてきたときとか、首筋がチリチリしてそこからなんかが体の中を流れて、てのひらから発射されるって感じがする。あれが気の流れってことなんだろうか。
サギリの様子を見ていて、トナエゴトも唱えてないのに、
俺の首筋もなんだかチリチリしてきた。

なにか俺でもお役に立てることはありませんかと、あたりを見まわす。
だって、このままじゃ情けなさすぎるでしょ。
いくらサギリが強いったって。俺、一応年上なんだし。
サギリの力がいつまでもつのかわからないけど、限界はあるだろうしさ。
俺が隠れている場所からだと、ゆるく右に湾曲している道の先が見通せた。
途中から藪が少し浅くなって、普通の山道程度になっている。

そして、その先が明るくなって、いる?

木の列が途切れて、林の出口があるように見える。
ここからなら、ほんの少し、五漕ぎくらい藪を漕げば、
あとは走ることができそうだ。
あの出口までいけば、明るい広い場所に出られて、
少しは戦いやすくなるんじゃないだろうか。
バケモノどもの攻撃の隙をついて、サギリを引きずって、
あそこまで行けるだろうか。
サギリと道の、距離と位置関係を目で測る。

……うう──ん。
俺、武闘派じゃないからこういうの苦手なんだようう。
いけるかなあ。どうかなあ……。

シナツヒコとワカサヒコはと見れば、
サギリのそばについて、ああしろこうしろ言っているようだ。
ここではやつらはサギリの守護だからね。
でも、守護ってもやっぱり、コーチ、セコンド、カントクなのね。
守っちゃくれない。

そして、俺の手助けも、しちゃくれないだろうなあ……。

右見て左見てをアホみたいに繰り返していたら、
サギリの頭の上を越えてきたバケモノが、
隠れていた俺を見つけて突進してきた。
サギリは前方からやってきたでかいやつに気を取られて、
こっちには気付いていない。

うひ──っ。



[第六章・俺の息子?? -7]へ、つづく

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