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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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第六章・俺の息子?? -2

「ジヌミはあたしの従兄弟なんだから、
その父ちゃんはおじさんでしょ?」

は? 従兄弟?

「ちょっと待ったー! そのジヌミっての、何歳?」

「なに言ってんだよ。自分の子供のくせに。歳も忘れたっての?」

「いいから、何歳なんだよ!」 

「十四歳だよっ! あたしと同じ!」 

別におまえの歳は聞いちゃいませんけどね。
へえ~、十四歳ですかー。
ちょっと発育不良なんじゃないすかねー?(セクハラ発言)

って、十四歳かよっ! 

「あのな、俺、十九歳。
そいつは、俺が五歳の時の子供かよ。
こっちの世界じゃ、五歳でも子供作れんのか?」

「いや、それは無理ですね」

「その辺の人間の仕組み的には、あっちもこっちもおんなじだろ?」

「う──ん、でも顔は似てるような気がしますが……」

「え? ワカサヒコ、そのニセスサノオに会ったことあんの?」

「ええ、もう十五年ほど前ですが」

「十五年前っつったら、俺四歳!
かわいい盛りの四歳! 
その会ったときって、どんなやつだったよ?」

「ええ、普通に大人でしたねえ。
なにせ、その時に、このサギリのおばさんにあたる
アキヅと結婚したんですから」

「マレビトの歳なんか、わかるもんかっ。
十九歳ったって、ホントかどうかわかんないじゃんか」

えー? そこんとこ信じてくんなかったら、
なに言ってももうダメじゃん。

「そうと決まったら、早く行かなきゃ。ジヌミはトリカミノサトに行ってるはずなんだよ。途中ではぐれちゃったんだけど。ここらに登り口があるはずなんだよ。ヒノカワはあっちだから、ここかあっちの山の上なんだけど、もうなんだか入り組んででさー。あんた、知らない? そこのあんたが落っこちてきた道は、どこに通じてんの?」

「ここは行き止まり」

「ほんとに?」

とことん俺を信用しないつもりか?

だったら聞くなよっ!

「上には洞窟が一個あるだけだよ。
向こうの世界への入り口っての? 俺が出てきたとこ」

「そうなんだ。役に立たないなー」

なにー? なんかムカツク。この子供。

「じゃあやっぱ、さっきのあのけもの道しかないかー。トリカミノサトには人が住んでるはずだから、もっとちゃんとした道があると思うんだけどなー。おっかしいなー。ここまではヒノカワ遡ってきたのに、いきなり両側切り立っちゃって、川沿いに登れなくなってんだもん。やんなっちゃうよ。しゃーないや。さっきのとこまで戻るよ、シナツヒコ、ワカサヒコ。おじさんも、ほら、行くよ」

「あ、あのさー。俺の意見は、聞いちゃもらえませんのですか?」

「聞かない」

あ、そう。わかりやすいお返事ありがとう。

「いいから。ジヌミに会えばわかることでしょ? あんたが嘘ついてるのかホントのこと言ってるのか。あたしは今初めて会ったよくわかんないおじさんよりも、この何日かだけど、一緒に旅したジヌミの言うことの方を信じるね」

はあ、ごもっとも。

「今の、ジヌミが聞いたら、泣いちゃうんじゃねえの?」

「ずーっと、喧嘩ばっかりしていましたのにねえ。
……そうなんですかー」

「うるさいよっ! 相対的な問題でしょ。
こっちとあっちの、どっちを信じるかって」

シナツヒコとワカサヒコは、ニヤニヤしている。
ふう~~ん。こいつ、サギリは、その俺の息子だっていう、
ジヌミってやつと旅してきたけど、ずっと喧嘩ばっかりだったと。
ま、こいつの性格から考えたらそうかもな。
こんなやつと一緒に旅したくねーよな。

サギリは俺の腕をガッシとつかんで、引っ張っていく。
こんな十四歳(見た目十二歳)の女の子につかまれたって、
振りほどこうと思えばできたけど、俺はそのまま歩き出した。
その、ジヌミってのに会ってみたい気がしてきちゃったんだもの。

ごめんミトちゃん。しばらく帰れそうにないよ。
まあ、命はまだあるみたいだから、そのうち帰るよ。
……って、連絡方法がないのがつらいなあ。
……あ、携帯。ポケットから携帯電話を取り出して見てみる。

……圏外。

やっぱそうですか。そうですよね。
ここで、携帯なんかがつながったら、それこそ安直だ。



[第六章・俺の息子?? -3]へ、つづく

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