忍者ブログ

マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

お知らせ
「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

 ←ランキング参加しています。上位に食い込めたら、こいつも有名ブログの仲間入りっ!?
よろしくです。(涙目)

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第五章・扉の向こう -10

「ああ、この人はマレビトさんですよ。
あっちの世界から来たのだそうです」

「マレビト?」

俺のこと?

「そ。こっちでは、あっちの世界から来ちゃったやつのことを
マレビトって呼んでんの」

「んじゃ結構そーいうやつが、いるってこと?
マレビトなんて呼び名があるってことは、
今までもあっちからこっちに来たやつがいたってことだろ?」

「おや、バカかと思いましたが、頭使えるんですね」

きついよ、ワカサヒコ。
やっぱ性格も同じなわけですね。

「あんまし、いねえな。
俺が知ってるのは、ここ千年の間に四~五人てとこ」

「マレビトは珍重されますからね。
あっちの世界から来たことがわかると、
それが伝説になったりするものですから、
それで呼び名がついてるんです」

なんで珍重? 俺って珍獣?

「えーとですね。
今まで来たマレビトさんたちからの話を総合しますと、
どうもこっちの世界よりそっちの世界の方が
いろいろな技術が進んでいるようなんです」

技術? なんの?

「なんでもです。
こっちはそっちの世界の二千年前くらいの時代設定だと
考えていただけると、わかりやすいかと思います」

うわー。
パラレルワールドものかと思ったら
タイムトラベルものだったのかー! 
それも苦手。
タイムパラドックスとか、考えはじめるとキリがないじゃん。

「過去と未来ってことじゃねえよ。
あくまでも、こっちとあっちは違う世界なんだよ」

「そう、別になにをやってもパラドックスは発生しません。
文明の発達具合の違う国に来たくらいに考えてもらって、
大丈夫だと思いますよ」

「そんなわけで、マレビトはさ、
こっちにはない技術をいろいろ教えてくれたりする存在だったりするわけよ」

「文字とか、製鉄とか、農業とかですね。
マレビトさんが伝えたっていう技術は、結構たくさんありますよ」

はー、それで伝説になっちゃうわけだ。なるへそー。
でも俺はなんも教えてあげられないよ。なんも知らないもんね。

「ちょっと。そのマレビト!
もう説明はいい?
わかった?
そんでさ、あんた、名前なんての?
さっき、なんて言ってた?
名前!」


なんだよ、名前名前って。人の名前を聞くときはまず自分からって、
お父さんお母さんから習いませんでしたかー?

「あ、こいつはサギリってんだ。
こっちでは、俺らはこいつの守護ってわけ」

「そっちの我々は、あなたの守護なわけですね?」

うん、そう。なんかややこしいね、そっちとかあっちとかさ。

「あたしの名前なんかどーでもいいよ。あんたの名前だよっ」

わかった、わかりましたよ。自己紹介すりゃあいいんでしょ。

「高木スサノオ、です……」

「スサノオ、スサノオ、
スサノオ!」


甲高い声でトラウマの元を連呼されて、俺は心臓がばくばくした。

「なんだよ……」

失礼な、と言おうとした俺の声は、衝撃の言葉に掻き消された。

「あんたっ!
自分の息子ほっぽらかしてなにやってんだよっ。
ジヌミがずっとさがしてんの、
知らないとは言わせないよっ!」




[第六章・俺の息子?? -1]へ、つづく

↓1日1回ポチッとよろしく。励みになりますです。
 
PR
この記事にコメントする







  Vodafone絵文字入力用パレット表示ボタン i-mode絵文字入力用パレット表示ボタン Ezweb絵文字入力用パレット表示ボタン

この記事へのトラックバック




ごあいさつ
稀人舎ロゴ
個人で出版活動をしている[稀人舎](キジンシャ)と、申します。
「稀人」の訓読みは「マレビト」
つまり、「マレビト」とは、[稀人舎]を運営している者のことです。
このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
お読みになられましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せください。
好評なものは、「引き出し」から出して、本にすることもあるかもしれません。

ここに公開している創作物の著作権・出版権等の権利は、その作品の著者にあるものとします。
無断転用はおやめください。
なにかにご紹介いただけるときなどは、
[稀人舎]まで、ご連絡ください。
よろしくお願いします。
あ、リンクはフリーでございます。何卒よろしくお願いいたします。
最新コメント
[04/28 ゆっきー]
[11/18 管理人]
[11/17 ちあき]
[02/15 管理人]
[02/15 ちあき]
稀人舎の本
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
シングルマザーとシングルファーザーの結婚は、問題山積みで… 家族も自分たちも幸せになるために、彼らが取った方法は…?

飲んだくれてふる里
飲んだくれてふる里
山形県鶴岡市の思い出エッセイ集。鶴岡の飲み屋で拾った、ちょっと懐かしい話がいっぱいです。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
アクセス解析

AdminControlMenu: AdminMenu | NewEntry | EditComment | EditTrackback

忍者ブログ [PR]