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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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第九章・オロチの民 -7

「で、さっき、スサノオ様が来たならもう大丈夫とかなんとか言ってたみたいですけど、それって一体……?」

もうもう、俺はこれが聞きたくて聞きたくて、
今までの長い話を我慢して聞いてたようなもんなんだよっ! 
なんであっちでもこっちでも、スサノオスサノオって、みんな言ってんだよっ!

「それはですね。もう、五年ほど前になりますか。ここに旅のカムナギ様がいらっしゃって、ちょうどそのとき、オロチの民が四つ目の山を奪いにやってきていたのです。そのころにはもうサトの人間も半分がた山をおりてしまっていて、困っているのだという話をしたところ、そのカムナギ様がなにやらオロチの民と話をしてくださって、なんと、追い払ってくれたのですよ。永遠にというわけにはいかないが、あと一年はやつらは山をおりてはこないよと、そう言ってくださって。結界を張ったから大丈夫、と。本当にその後一年間、オロチの民はやってきませんでした」

カムナギってのは、バケモノだけじゃなくて、
よそ者退治もできるんですかい? 
オロチの民って人間でしょ? 
結界が効くんですか?

「ですから、あなた方がカムナギ様だとわかったときは、また同じように追い払っていただこうと、それをお願いするつもりでした。山姥の錦も持ってらっしゃったことですし」

「なんで、山姥の錦を持ってるといいの?」

「その時のカムナギ様が、山の神の加護を受けていることが大事なのだとおっしゃっていて、その方も似たような錦を持っていたのですよ」

ああ、それで「カムナギ様ー!」と土下座したのはわかった。

で? 「スサノオ様!」の方は?

……なんか、だんだん読めてきたような気がするけどな。

俺は踊らされている。誰かの手の上で。

「そのカムナギ様が、そのうちスサノオという者がここに来て、なにもかも解決してくれるだろう~、と神がかってお告げをされたのです」

くわ──────っ!

どうせ、むりやり額に青筋立てて

「うおおおっ。お告げがきましたぞー。お告げじゃー!」

とかなんとか、大げさな身振りつきだったんだろうよっ。

あのチビハゲ親父、そういう思わせぶりは大得意だったもんな!
そう、もう決まり。

そりゃ親父でしょ。
そのカムナギ様ってのはさ!


でもって、今オロチの民んとこにいるマレビトさんと同一人物。

決定。

なに考えてんだ。あの親父。

「で、その──。スサノオ様は、我々のこの窮状を救っては……?」

アシナヅチが上目遣いにこちらをうかがっている。
かわいい女子の上目遣いは胸キュンだけど、おっさんじゃあなあ。
萎えるよなあ。
でも、この気弱なおっさん相手に、
これは全部俺のくそ親父が仕組んだことで、
俺は勇者でもなんでもないんですーなんて訴えても始まらないしなー。

それに、あの親父はふざけたやつだけど、
ホントに困っている人を
さらに困らすことをするようなヤツじゃないってことはわかってる。
親父は俺が本当にオロチの民をなんとかできると思ったから、
ひと芝居打ったんだろうしな。

あら、俺ってばなんか孝行息子?

「まあ、できる範囲でやってみます。俺がやれることでなにが起こるのか、いまいちわからないんで、効果のほどは保証できませんけど」

はあー。引き受けちゃったよ。うんざり。



[第九章・オロチの民 -8]へ、つづく

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