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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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第九章・オロチの民 -6

「ジヌミったら、
そのマレビトが父ちゃんだと
思ったんだー!」


そのとおり。で、俺もそう思いました今。

親父、鍛冶集団に混じって、なにやってんですか?

「オロチの民がうちに来て、ここに娘がいるということは自分らのところにいるマレビトが言っていることだから絶対だ、とか言っているのをジヌミくんがたまたま聞いていたみたいで。その後、そのマレビトの年格好を聞いてくれと、ジヌミくんに頼まれまして」

「で、聞けたんですかっ!?」

俺も聞きたい。

「ええ。年は私と同じくらいで、身体は小柄な方、髪の毛がちょっと薄くなっている方、ということでした」

ビンゴ。

「で、ジヌミはそれ聞いて、じゃあ行くと?」

「はい、ぜひ自分が行きたいと、こう言い出して。危険かもしれないからと、私もテナヅチも最初は止めたんですが、そのマレビトがいるんなら大丈夫だからと言ってきかなくて。そのマレビトは自分の味方だから、と。なので、それじゃあジヌミくんにお願いしてみようかと、こういうことになりまして。私どもにしてみれば、もう最後の望みの綱といいますか。娘を差し出さなければ皆殺しだ、と脅されてましたので。これ以外に方法はないと思い込んでしまったわけで。それで、先ほどのような、ジヌミくんはいない、という嘘を……」

アシナヅチさん、もにゃもにゃ言い訳。
このおじさん、恰幅のいい見かけによらず、
なんだか気弱な人なんですね。だんだんわかってきましたよ。
だいたい、いい年したおっさんが、十四歳の少年に頼るかね?
いっくらジヌミが大丈夫だって言ったってさ。
それに、ジヌミだって甘いんじゃねーの? 
味方って言ったっていうけどねえ。あの親父だよ? 
ジヌミは無条件で信じちゃってるのかもしんないけど、
味方かどうかわかんねえよ? あの親父はよー。

「じゃあ、その年寄りのチビハゲがジヌミの父ちゃんだってこと? スサノオじゃないの?」

チビハゲ……。

自分でそう言うことがあっても、
他人の口から言われるとちょっとムカ入っちゃうもんだね。ムカ。

でもま、そのとおりです。

「だーかーらー、
俺はず───っと、違うって、
そう言ってるじゃねえかよっ!」


「えー、でもでも名前はスサノオって言ってたよ。スサノオって、スサノオだけじゃんっ」

だから、それは親父の嘘なんだって。わかんねえやつだなあ。

「ねえ、そのマレビトの名前は聞かなかったの? そいつもスサノオっていうんじゃないの?」

アシナヅチに食ってかかったって、しょうがねえじゃんよ。
ったくよー。

「名前はお聞きしてないですね。ただマレビト、としか」

アシナヅチが、すまなそうにサギリに言う。
いやもう、こいつの言うことはほっといてください。



[第九章・オロチの民 -7]へ、つづく

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