忍者ブログ

マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

お知らせ
「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

 ←ランキング参加しています。上位に食い込めたら、こいつも有名ブログの仲間入りっ!?
よろしくです。(涙目)

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第九章・オロチの民 -1

サトオサは俺たちを座らせると、一旦どこかへ引っ込んで、
しばらくすると上品そうなおばさんと一緒に戻ってきた。
雀のお宿のいいおばあさんみたいな格好をしている。

「さきほどは、本当に失礼しました。私はアシナヅチ、こっちは私の妻でテナヅチといいます」

やっぱり。んじゃ、クシナダちゃんはどこに……?
なんてことはいきなり聞けないよな。
大事な大事なお姫さまだろうしなー。

ここは、まずは自己紹介のやり直しからか。

「こちらこそ、いきなり訪ねてきてすみません。私はスサノオ、こっちはサギリといいます」

スサノオ!? 
 やっぱりあなたはスサノオというのですか?
 本当に?

ああ、まただよ。スサノオ人気、ここでも健在。
それに、やっぱりってなんだよ、やっぱりって。

「スサノオ様がこんなにお若い方だとは、思いもしませんで……。そうですか。じゃあ、おまえ、ジヌミくんはこんなことをする必要がなくなったんだから、帰してあげないと……」

後半は、テナヅチおばさまにぽそぽそ言っている。

「でも、もう支度もすんで、浄めの岩屋に入ってしまったんですよ。ついさきほど」

「え、そうか。入ってしまったか。そうか。まあしかし、岩屋から出てきたら事情を話せばいいことだが、それだと明日まで待ってもらわないといかんな。いやしかし、お力を貸してもらうならばどっちにしろ明日……」

なんか、お二人だけでうんうん納得している。
なんなんですかー。
こっちにもわかるように話してくださーい。

「ああ、スサノオ様がいらしてくださったのなら、私たちもうあのオロチの民の言いなりにならなくてすむんですね。あの方のおっしゃったことは本当だったんですね。こんなことってあるんですねええ」

え? オロチ? やっぱヤマタノオロチですかっ?
もしかして、話を聞いちゃったら俺、
ヤマタノオロチと戦うハメになったりしますかね? 
お話聞かない方が身のためってことですかね? 
そんでもって、あの方って誰っ!?

テナヅチは手を組み合わせて、うっとり俺のこと見てるし。

なんだよー。俺になに期待してんだよー。

ん? なんかこの顔、見覚えがあるような……?

いやいやこんなところに知り合いはいないはず。

「ジヌミとは今会えないっての? オロチの民ってなに? なんかさー。全然話見えないんだけどー。ちょっと説明してくんないと、あたしたちもどうしようもないよ」

あー、またこの、俺が迷ってることを言ってくれちゃってー。
絶対に面倒なことになるんだからなっ。
そんでもって、絶対俺が、なんかやらされるハメになるんだー。

えーん。

「ええ、あの、ジヌミくんは安全です。それはお約束しますので、ご安心ください。ただ、今はお会いになることはできません。明日の昼には必ず、お引き合わせいたします」

「そのさー、なんで会えないのか教えてよ。その岩屋ってのには、ジヌミが自分から入ったの? 無理やり入れたの? なんでそんなとこに入んなきゃなんなかったのさ。そんでもって、それとこのスサノオと、なんの関係があんだよ。まあ父ちゃんなんだから、関係はあんだけどさ。あの方の言ったことって、なに?」

質問はー、順番にー。ひとつずつー。

それと、父ちゃんじゃーありませんからー。

「ちょっとサギリ、おまえ黙ってろ。すいません。事情をお話いただけますか? なにかお力になれるかもしれませんし……」

あーもう、どうにでもなれー。
どうせ、俺はここで、なんかやらないといけないことになってんでしょ?

ねえ、オトウサン!

絶対これには、親父がなんかからんでやがる。確信。

「ええ、では、少し長い話になりますが、お聞きくださいますか」

はあ、聞きますよ。聞きますとも。



[第九章・オロチの民 -2]へ、つづく

↓1日1回ポチッとよろしく。励みになりますです。
 
PR
この記事にコメントする







  Vodafone絵文字入力用パレット表示ボタン i-mode絵文字入力用パレット表示ボタン Ezweb絵文字入力用パレット表示ボタン

この記事へのトラックバック




ごあいさつ
稀人舎ロゴ
個人で出版活動をしている[稀人舎](キジンシャ)と、申します。
「稀人」の訓読みは「マレビト」
つまり、「マレビト」とは、[稀人舎]を運営している者のことです。
このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
お読みになられましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せください。
好評なものは、「引き出し」から出して、本にすることもあるかもしれません。

ここに公開している創作物の著作権・出版権等の権利は、その作品の著者にあるものとします。
無断転用はおやめください。
なにかにご紹介いただけるときなどは、
[稀人舎]まで、ご連絡ください。
よろしくお願いします。
あ、リンクはフリーでございます。何卒よろしくお願いいたします。
最新コメント
[04/28 ゆっきー]
[11/18 管理人]
[11/17 ちあき]
[02/15 管理人]
[02/15 ちあき]
稀人舎の本
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
未入籍別居婚~私の結婚スタイル~
シングルマザーとシングルファーザーの結婚は、問題山積みで… 家族も自分たちも幸せになるために、彼らが取った方法は…?

飲んだくれてふる里
飲んだくれてふる里
山形県鶴岡市の思い出エッセイ集。鶴岡の飲み屋で拾った、ちょっと懐かしい話がいっぱいです。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
アクセス解析

AdminControlMenu: AdminMenu | NewEntry | EditComment | EditTrackback

忍者ブログ [PR]