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マレビトの引き出し

[稀人舎]読み物コーナーです。 和風ファンタジー連載中。

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「素戔鳴流離譚・其ノ二」(すさのおりゅうりたん・そのに)、連載開始!
最新号はこちら→第六章・アシワラノヤチノサト-33   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです

「葦原を流れゆくモノたち・其ノ一」は完結しました。
最終回はこちら→[第八章・西のホラ -47]   最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらです。

「素戔鳴流離譚・其ノ一」(すさのおりゅうりたん・そのいち)は、完結しました。
最終回は、こちらです。→[終章 -15]  最初からお読みくださる方はあらすじから。 目次一覧はこちらからどうぞ。

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序章 -1

(うっぎゃああああぁぁぁぁ~~~~~!!)

俺の声なき叫びが
深夜の住宅地に響き渡る。
ホントの叫び声じゃないところが
俺の鉄の理性の賜物だ。
ほめてほしい。

ほんっとうに、ほめてほしい。

十九歳男子のホントの叫び声が、
深夜一時半の静かな住宅街に響き渡ったら、
おまわりさん呼ばれちゃうでしょ。

いやその、全力疾走している俺の後方約三メートルに
今、迫っている、
おそらく俺に危害を加えようとしている
そのモノが人間ならば、
俺だって遠慮なく大口開けて
声帯最大限に震わせて叫びますよ。

ええもう、
叫ばせていただきますとも、
恥も外聞もなく。

でもね、
この殺気丸出しで俺を追いかけてきてるそいつが、
直径二メートルほどの
黒いぞわぞわした不定形の塊で、
しかも宙を飛んでるとなったら、
それは別でございましょう。

さらにさらに、
それが俺にしか見えないとしたら!

おまわりさん呼んでもらっても、
次には救急車を呼ばれるのがオチだ。
ちなみにそのオチはすでに十二年ほど前に経験済み。
そしてその経験から、このバケモノは自分でなんとかしないといけないってことも学習済みだ。

くっそ──。



[序章 -2]へ、つづく

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個人で出版活動をしている[稀人舎](キジンシャ)と、申します。
「稀人」の訓読みは「マレビト」
つまり、「マレビト」とは、[稀人舎]を運営している者のことです。
このブログは、まだ本になっていない作品を入れておく場所……「引き出し」です。
お読みになられましたら、ぜひご意見・ご感想をお寄せください。
好評なものは、「引き出し」から出して、本にすることもあるかもしれません。

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